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DOTALLフラグ(ドット(.)が行末記号とマッチする)
Java の正規表現で利用可能なフラグの一つである DOTALL フラグの使い方です。 DOTALL フラグを有効にすると、メタ文字であるドット(.)が行末記号にもマッチするようになります。ここでは Java の正規表現における DOTALL フラグの使い方について解説します。
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DOTALLフラグを有効にする
DOTALL フラグは Java で利用可能なフラグの一つで、有効にすることでメタ文字であるドット(.)が行末記号にもマッチするようになります。(行末記号とは \n などの行の末尾を表す文字です。行末記号の一覧は「行末記号について」を参照されてください)。
DOTALL フラグを有効にするには、 compile メソッドの引数に Pattern.DOTALL を指定してパターンオブジェクトを作成してください。
String r = "A.*B";
Pattern p = Pattern.compile(r, Pattern.DOTALL);
またはパターンを表す文字列の中に埋め込みフラグの (?s) を記述してください。
String r = "(?s)A.*B";
Pattern p = Pattern.compile(r);
DOTALLフラグによるマッチングの違い
DOTALL フラグを有効にした場合にどのように変わるのかを確認します。パターンとして <p>.*</p> を指定した場合で試してみます。
String r = "<p>.*</p>"; Pattern p = Pattern.compile(r);
デフォルトではメタ文字のドット(.)は行末記号にマッチしないため、 <p> と </p> の間に \n などの行末記号が含まれている場合はマッチしません。
〇 AAA<p>BBBCCC</p>DDD
✕ AAA<p>BBB\nCCC</p>DDD
次に DOTALL フラグを有効にしてみます。
String r = "<p>.*</p>"; Pattern p = Pattern.compile(r, Pattern.DOTALL);
ドット(.)は行末記号にもマッチするようになります。
〇 AAA<p>BBBCCC</p>DDD 〇 AAA<p>BBB\nCCC</p>DDD
それでは簡単なサンプルプログラムを作って試してみます。テキストエディタで次のように記述したあと、 JSample19-1.java という名前で保存します。
import java.util.regex.*;
class JSample19_1{
public static void main(String[] args){
String target1 = "<p>Lemon is yellow.Strawberry is red</p>";
String target2 = "<p>Lemon is yellow.\nStrawberry is red</p>";
String regex = "<p>.*</p>";
Pattern p1 = Pattern.compile(regex);
Matcher m1_1 = p1.matcher(target1);
System.out.println(target1 + ":" + m1_1.find());
Matcher m1_2 = p1.matcher(target2);
System.out.println(target2 + ":" + m1_2.find());
System.out.println("---- ----");
Pattern p2 = Pattern.compile(regex, Pattern.DOTALL);
Matcher m2_1 = p2.matcher(target1);
System.out.println(target1 + ":" + m2_1.find());
Matcher m2_2 = p2.matcher(target2);
System.out.println(target2 + ":" + m2_2.find());
}
}
コンパイルを行います。
javac -encoding UTF-8 JSample19_1.java
その後で、次のように実行してください。
java JSample19_1
DOTALL フラグを有効にすることで、ドット(.)が行末記号にもマッチするようになりました。
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Java の正規表現における DOTALL フラグの使い方について解説しました。
( Written by Tatsuo Ikura )
著者 / TATSUO IKURA
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