相対パスを絶対パスに変換する(Path.toAbsolutePath)

Path クラスで用意されている toAbsolutePath メソッドを使用すると、 Path オブジェクトが持つ相対パスの情報を絶対パスに変換したうえで、絶対パスで表されたファイルまたはディレクトリの情報を持つ新しい Path オブジェクトを取得できます。ここでは Java を使って相対パスを絶対パスに変換する方法について解説します。

(Last modified: 2023年01月30日)

相対パスを絶対パスに変換する

Path オブジェクトを作成するとき、対象となるファイルは絶対パスまたは相対パスで指定することができます。例えばカレントディレクトリが C:\code\java\file\ のとき、次の 2 つの Path オブジェクトは同じファイルを表します。

Path p1 = Paths.get("C:/code/java/file/report.txt");
Path p2 = Paths.get("report.txt");

Path クラスで用意されている toAbsolutePath メソッドを使用すると、 Path オブジェクトが持つ相対パスの情報を絶対パスに変換し、絶対パスの情報を持つ新しい Path オブジェクトにして返してくれます。 toAbsolutePath メソッドの書式は次の通りです。

メソッドを実行すると、対象の Path オブジェクトが示すファイルまたはディレクトリを絶対パスで表した新しい Path オブジェクトを返します。

次のサンプルを見てください。カレントディレクトリは C:\code\java\file\ です。

Path p1 = Paths.get("report.txt");
Path p2 = p1.toAbsolutePath();
System.out.println(p2.toString());  // C:\code\java\file\report.txt

絶対パスの情報をもつ新しい Path オブジェクトを取得することができました。

それでは簡単なサンプルプログラムを作って試してみます。テキストエディタで次のように記述したあと、 JSample13-1.java という名前で保存します。

import java.nio.file.Path;
import java.nio.file.Paths;

class JSample13_1{
  public static void main(String[] args){
    Path p1 = Paths.get("C:/code/java/file/report.txt");
    Path p2 = Paths.get("report.txt");
    Path p3 = p2.toAbsolutePath();

    System.out.println(p1);
    System.out.println(p2);
    System.out.println(p3);
  }
}

コンパイルを行います。

その後で、次のように実行してください。このときカレントディレクトリは C:\code\java\file です。

絶対パスと相対パスでそれぞれ同じファイルを対象とした Path オブジェクトを作成したあと、相対パスで作成した Path オブジェクトから絶対パスに変換した Path オブジェクトを新しく取得しました。

Pathオブジェクトが絶対パスか判定する

Path オブジェクトが絶対パスか相対パスか判定するには Path クラスで用意されている isAbsolute メソッドを使用します。書式は次のとおりです。

メソッドを実行すると Path オブジェクトが絶対パスの情報を持っている場合に戻り値として true を返します。

次のサンプルを見てください。

Path p1 = Paths.get("report.txt");
Path p1 = Paths.get("C:/code/java/file/report.txt");

System.out.println(p1.isAbsolute());  // false
System.out.println(p2.isAbsolute());  // true

Path オブジェクトが持つパスの情報が絶対パスか相対パスか調べたい場合に使用されてください。

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Java を使って相対パスを絶対パスに変換する方法について解説しました。

著者 / TATSUO IKURA

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