SLN関数:旧定額法を使って減価償却費を算出する

SLN 関数は Excel で用意されている関数の一つで、旧定額法を使って減価償却費を算出する場合に使用します。ここでは Excel における SLN 関数の使い方について解説します。

※ Excel の対応バージョン : 365 web 2021 2019 2016 2013 2010 2007

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SLN関数の使い方

SLN 関数は旧定額法を使って減価償却費を算出する場合に使用します。

SLN(取得価額,残存価額,耐用年数)

1 番目の引数には対象の資産の取得価額を指定します。 2 番目の引数には残存価額を指定します。 3 番目の引数には対象の資産の耐用年数を指定します。

※ 平成 19 年度税制改正により、平成 19 年 4 月 1 日以後に取得する減価償却資産の償却費の計算方法については、残存価額を 1 円まで償却することとされました。ただし SLN 関数では残存価額を 1 円に設定すると正確な値が算出できません。旧定額法ではなく定額法で算出を行う場合は現状手動で算出する方が確実です。

※ 参考 No.2106 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)|国税庁No.2105 旧定額法と旧定率法による減価償却(平成19年3月31日以前に取得した場合)|国税庁

旧定額法でのシミュレーション

簡単なシミュレーションを作成してみます。取得価額として 200,000 円、耐用年数が 4 年とした場合の減価償却費は次のようになります。

SLN関数の使い方(1)

手動で算出する場合は「取得価額 × 90% × 旧定額法の償却率」で毎期の減価償却費を算出しています(耐用年数 4 年の場合の償却率は 0.25 です)。

定額法でのシミュレーション

旧定額法ではなく定額法を使用する場合は、「取得価額 × 定額法の償却率」で毎期の減価償却費を算出します。

SLN関数の使い方(2)

最後の期は期末残高が 1 円となるように減価償却費の調整を行います。

SLN関数のサンプル

それでは実際に SLN 関数を使ってみます。 Excel のシートに対象の数値を次のように入力しました。

SLN関数のサンプル(1)

減価償却額を表示する B6 セルを選択し、次のように入力しました。 SLN 関数の 1 番目の引数に取得価額が入力されたセルとして B3 セルを指定します。 2 番目の引数に残存価額が入力されたセルとして C3 セルを指定します。 3 番目の引数に耐用年数が入力されたセルとして D3 セルを指定します。

=SLN(B3,C3,D3)

SLN関数のサンプル(2)

Enter キーを押すと、 B6 セルには次のように表示されます。

SLN関数のサンプル(3)

毎期の減価償却費が 45,000 円となることが分かりました。これは旧定額法のシミュレーションで手動で算出した額と一致します。

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Excel における SLN 関数の使い方について解説しました。

( Written by Tatsuo Ikura )

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著者 / TATSUO IKURA

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