NPV関数:キャッシュフローと割引率から投資の正味現在価値を算出する

NPV 関数は Excel で用意されている関数の一つで、キャッシュフローと割引率から投資の正味現在価値を算出する場合に使用します。ここでは Excel における NPV 関数の使い方について解説します。

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NPV関数の使い方

NPV 関数はキャッシュフローと割引率から投資の正味現在価値を算出する場合に使用します。

NPV(割引率,値1,値2,...)

1 番目の引数には割引率を表す数値を指定します。 2 番目以降の引数には、各期で発生するキャッシュフローの値を指定します。セル範囲で指定することもできます。 1 期目のキャッシュフローは値 1 、 2 期目のキャッシュフローは値 2 のように指定していきます。

割引率を r 、各期で発生するキャッシュフローを CF1 、 CF2 、 ... とした場合、正味現在価値は次のような式で算出することができます。

NPV関数のサンプル(1)

現在持っている 10 万円と将来手にする 10 万円では現在持っている 10 万円の方が価値が高く、将来手にするものに対しては将来の度合いに応じて割り引いて価値を算出します。

使い方としては、例えば 100 万円投資して、その投資から得られるキャッシュフローの正味現在価値が 100 万円を上回れば投資するメリットがあるということになります。

簡単なシミュレーションを作成してみます。各期で発生したキャッシュフローを割引率で割り引いた値をそれぞれ取得し、その合計を正味現在価値として表示しました。

NPV関数の使い方(1)

初期投資が 1,000,000 円なのに対して、そこから得られるキャッシュフローの正味現在価値が 1,069,648 円となるため投資するメリットがあることになります。

今回はシミレーションを作成して正味現在価値を算出しましたが、 NPV 関数を使用することでシミュレーションを作成することなく正味現在価値を算出することができます。

NPV関数のサンプル

それでは実際に NPV 関数を使ってみます。 Excel のシートに対象の数値を次のように入力しました。

NPV関数のサンプル(1)

正味現在価値を表示する D3 セルを選択し、次のように入力しました。 NPV 関数の 1 番目の引数に割引率が入力されたセルとして B3 セルを指定します。 2 番目の引数に各期で発生するキャッシュフローが入力されたセル範囲 C6:C9 を入力します。

=NPV(B3,C6:C9)

NPV関数のサンプル(2)

Enter キーを押すと、 D3 セルには次のように表示されます。

NPV関数のサンプル(3)

正味現在価値が 1,069,648 であることが分かりました。この金額は先ほどシミュレーションで算出した金額と一致します。

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Excel における NPV 関数の使い方について解説しました。

( Written by Tatsuo Ikura )

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著者 / TATSUO IKURA

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